コーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師など対人支援職のひとり起業家は、やさしくて勉強熱心な方が多い印象があります。
しかし時に、その優しさが仇となってしまう場合があります。
気づいたらお客さんに寄り添うあまりお客さんが減っていった…。なんてことになったら大変です。
この記事を読み終わる頃には、あなたのやさしく勉強熱心な人柄はそのままに、ひとり起業家として選ばれるための戦略的な思考も身についているはずです。
目次
売れるコーチ、カウンセラー、セラピストになるための競争地位戦略
まず始めに、なぜやさしく勉強熱心なコーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師ほど、売れなくなる危険性があるのかをお伝えします。
この職業の方はお客さんに寄り添うことは大切です。しかし人によってはお客さんの意見や要望に耳を傾け過ぎてしまうことがあります。
お客さんの意見や要望にできるだけ応えようと、自分のゴールとは関係のないものを学んだり、資格取得したりしてしまうことがあります。
この結果、広く浅くの『何でも屋さん』になってしまう可能性があるというわけです。
つまり、お客さんはあなたの特徴や独自性を感じられず、あなたにお願いする必要性が無くなってしまうのです。
もちろんやり方に次第なところはありますが、今回は次に説明するフィリップ・コトラー先生の競争地位戦略に基づいて、コーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師などのひとり起業家としての戦略視点でお話を進めます。
1択のみ!コーチやセラピストなどひとり起業家が狙うポジション
アメリカの経営学者でマーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーは、「同業界内における競争上の地位により、取るべき戦略の定石が異なる」という考え方を提唱しています。
簡単に言うと、あなたがひとり起業家として市場のどこにいるかで、取る戦略が変わるということです。
この地位をコトラーは、以下の図のように4つに分類しています。
さてこの図を見て、あなたや僕のようなコーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師などのひとり起業家が狙うべきポジションはどこだと思いますか?
ポイントは縦軸の『経営資源の質』と横軸の『形成資源の量』です。
ひとり起業家の場合、企業と真っ向から勝負しても勝てるはずはないので、この図の場合『ニッチャー』を狙うことが正解です。
この理由を知るためにも、簡単に4つのポジションについてご説明します。
リーダー
ある特定の市場シェアNo1が、このポジションです。カフェで言えばスタバで、特定の市場(カテゴリ)においての王様です。
チャレンジャー
リーダーに挑む2番目、3番目の企業です。カフェで言えばタリーズ。リーダーの座を狙い、リーダーとの差別化を図り優位性を作ります。
ニッチャー
他の同業さんとは別の狭い領域で成功している企業です。リーダーやチャレンジャーは手間がかかったり、市場規模が小さいため相手にしないポジションです。カフェで言えば椿屋ですね。
フォロワー
リーダーをマネしつつ価格は安くするという戦略を取るため、同業さんも多くいます。
やさしく勉強熱心なコーチやセラピストはフォロワーになる?
コーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師業界の企業もひとり起業家も、上記いずれかのポジションに属しています。
この中でひとり起業でできることは、少ない経営資源を合理的に使いながら、質をどんどん高めニッチャーになることです。
もし経営資源の少ないひとり起業家が、お客さんの意見や要望に耳を傾けすぎて、まんべんなく知識やスキルを身につけようとすると、どうなるでしょうか?
リーダーやチャレンジャーに追いつけるどころか、トンガリのあるニッチャーにすらなれなくなってしまうのです。
と、言うことは…
リーダをマネて価格を安くする『フォロワー』のポジションになってしまいます。
あなたがフォロワーポジションになると、お客さんは同業さんとあなたを価格や実績で比べることになります。常に同業さんを意識して価格を下げるパターンに入ってしまうのです。
では、どうすればニッチャーになり、独自性のある選ばれるひとり起業家になれるのかを次からお伝えしますね。
コーチやセラピストなどのひとり起業でニッチャーになるポイント
コトラーの競争地位戦略では、企業が提供するコーチングやコンサルティング、カウンセリングと同じことをしても勝つことは難しいです。
広い市場カテゴリで、すでにNo1になっている個人コーチやコンサル、カウンセラーに勝負をすることも得策とは言えません。
多くのコーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師などひとり起業の場合は、ニッチャーのポジションを目指し、さらに特定の絞った市場でNo1を目指すことがベストな選択肢です。
そのポジションを取る方法は次の通り。
- 同業さんにはない1点の尖った売りを持つ
- 同業さんが狙わない特定のお客さんに絞る
- 同業さんがマネできない/マネしたくないやり方をする
これにより、ニッチャーのポジションを狙います。あなた独自の売り、つまり超自分軸を構築していけば、あなたの狙う市場でNo1(リーダー)を目指せます。
特にブランディング戦略では、No1は早いもの勝ち。早めに超自分軸とあなたがNo1になれる市場を特定しましょう。
ちなみに超自分軸とは、あなたの自分軸を魅力的な価値にブランディング・リデザインしたものです。
起業家がニッチャーになるための具体例
実は僕が主宰しているデザインミーアカデミーも、今回お話した競争地位戦略で『ニッチャー』のポジションを取っています。
顧客層は自分らしい生き方・働き方を望む方。でもこれだと抽象的で同業さんも多いレッドオーシャン状態です。
そこからさらに自分のビジョンに基づいて、顧客の価値観をぎゅっと絞っています。それは『自分も家族も顧客も大切にしたい』『自己成長しながらビジネスを飛躍させたい方』です。
そのため、『手っ取り早く稼ぎたい!』『自分のビジネスだけよくなればいい』と言った方たちは受講生にはいません。
もちろん提供サービスも絞っています。デザイン心理学、ストーリーブランディング戦略などを独自融合し、起業家でコンサルコーチで作家の僕にしかできない独自のメソッドを提供しています。
これにより、企業はもちろん他の起業家もマネできませんし、マネしたくないと思います。
このように、あなたの売りが決まったら、次にやることは市場ニーズを見つけることです。
独自の売りがあっても、市場ニーズがズレていればビジネスは上手くいきません。
『誰のどんな悩みに、どのようにあなたの売りを提供するか』を決める戦略がポイントです。
売れるコーチ、カウンセラー、セラピストになるための競争地位戦略
コーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師など対人支援職のひとり起業家は、お客さんに寄り添うことは大切です。
しかし、お客さんの意見や要望に耳を傾けすぎて、あなたの売りがぼやけるような知識やスキルの追加は危険な場合があります。
コトラーの競争地位戦略をもとにした場合、ひとり起業家が目指すポジションは『ニッチャー』です。
ニッチャーは、リーダーやチャレンジャーの同業さんが参入して来づらいポジションです。
ニッチャーを目指すポイントは次の通り。
- 同業さんにはない1点の尖った売りを持つ
- 同業さんが狙わない特定のお客さんに絞る
- 同業さんがマネできない/マネしたくないやり方をする
これとは逆に、お客さんの意見や要望に耳を傾けすぎて、まんべんなく知識やスキルを身につけようとするとどうなるか。
リーダーやチャレンジャーには勝てず、ニッチャーにもなれず、フォロワーになる可能性があります。
フォロワーのポジションでは、お客さんはあなたと同業さんを価格で比べるパターンに陥る危険があります。
コーチ、コンサル、カウンセラー、セラピスト、講師などのひとり起業家は、ニッチャーのポジションを狙い、特定の市場でNo1(リーダー)を目指しましょう。
最後に、ニッチャーに必須の1点の尖った売りを持つ方法をお伝えして終わりにします。
1点の尖った売りを持つ方法
1点の尖った売りは、あなたが持つユニークな資質や能力、ストーリーなどから、オンリーワンの自分をデザインすることです。
あなた自身にブレない自分軸ができ、それを魅力的な価値にブランディングできれば、競争戦略でニッチャーのポジションを手に入れることができます。
自分をデザインして、あらゆる願いを引き寄せるエッセンスをシェアします。